Making Furniture

Warren Hile Studioの家具作り







ウォレン・ハイル氏
最近は昭和初期の日本の版画収集に凝っているそうだ

家具の製作をこよなく愛するウォレン・ハイル氏は、アーツ&クラフツ精神に感動を覚え、1910年代に建てられた本物のアーツ&クラフツの家を手に入れ、自分で修復を手がける。さらにグスタフ・スティックリーのオリジナルのモリスチェアを手に入れた彼はそれに合わせた家具を自分で製作し始める。友人とガレージで製作された家具は、クチコミでアーツ&クラフツ愛好家に広がり、これがWarren Hile Studio社設立のきっかけとなった。
 ハイル氏は語る「アメリカではこのスタイルの家具をミッション・スタイルと呼ぶことが多い。一般的にはその簡素なデザインが修道院を連想させるので、ミッションと呼ばれるようになったと言われているが、本来はグスタフ・スティックリーが、アーツ&クラフツの思想を広めるにあたり私の使命は(My Mission is・・・・)と言ったことからきています。多くのアメリカ人は安いモノが好きだし、現在ミッションと呼ばれる家具の中には形だけの家具も多い。私はそれらと区別するためにも、自分の家具をアーツ&クラフツ、あるいはクラフツマン・スタイルと呼びたい」
 ハイル氏が手がける家具には、彼の「心」が感じられる。選び抜かれたホワイトオークの柾目材、組み構造、その素材を生かした塗装や仕上げ、張り地に使われる革、手打ちの金具−そこには、彼のこだわりともの作りに対する情熱、誇りに溢れている。
 誕生後、現在そして未来に渡り、アメリカン・アーツ&クラフツといスタイルが人々の心を魅了するのは、デザイン性はもちろんだが作り手の「思い」やメッセージがしっかりと刻み込まれているからなのかもしれない。